Story

EPISODE 08 「XV」

廃棄された不要無用たち(エルフナインとオートスコアラー)が、為すべき事のありったけを振り絞った此処こそが「全」。

即ち、オレの立つ瀬とばかりに再誕を果たすキャロル・マールス・ディーンハイム。
スフォルツァンドに残響する奇跡殺しの錬金術は、ノーブルレッドらを蹴散らしていく。

その間にも神の力は、神そのものへと至ろうと、侵蝕のまさぐりを緩める事は無かった。

エルフナインたっての頼みを聞いて小日向 未来奪還へと動くキャロルは、
S.O.N.G.にワールドデストラクターであるチフォージュ・シャトーを用いた策を提案する。

それは中断と分解の両面作戦。さらに「もうひとつ」を密かに忍ばせた二段の構え。

だが、命を燃やして放った絶唱を以ってしてもチフォージュ・シャトーは呼応せず、
キャロルもまた、哲学が編んだダイダロスの迷宮に囚われてしまうのであった。

窮地を回天させる為、キャロルは最後の一手である全開のフォニックゲインを装者に託す。
エクスドライブと、稼いだ時間に復帰した神殺しの拳にて物理的正面突破を試みるが――

無情にも、残酷が掻き鳴らした旋律は、迷い子たちの手を引いて墜ちていく。
そこに在る、在るはずのないカタチ――それこそが、既知にして未知の紫影(エクストラ ヴァイオレット)であった。